2007.10.01
さんま様
気仙沼では魚問屋というと「廻船問屋」のことを言います。
「廻船問屋」というとなんだか時代劇にでてきそうな名前です。
古くから気仙沼は天然の良港といわれ日本全国から漁船が気仙沼港に入港しました。
気仙沼以外の漁船が入港したときに様々なお世話をするのが廻船問屋の仕事です。特に昭和の初めから60年代頃までは、岸壁に接岸するために順番を待たなくてはならないほどの漁船が気仙沼に入港しました。
その最盛期に数は及びませんが、今もたくさんの漁船が気仙沼に新鮮な魚を水揚げするため入港しています。
秋は、気仙沼市民が愛してやまない「さんま」「戻りかつお」それに「秋鮭」 もちろん鮪やかじきも水揚げされ 大変な活気です。
斉吉魚問屋では、さんま船の水揚げが連日あります。小さい頃からさんまの時期になると大人はみんなとても忙しく、ほとんど 放って置かれた記憶がありますが、なんと言ってもさんまは有難い、魚です。その年の初水揚げがあると一番りっぱなさんまを、神様にお供えして、漁期の無事をお祈りします。
我が家では「さんま様」と呼びます。
塩焼きや煮つけも美味しいですが、この時期のさんまは脂ののりが程よく生で刺し身に最適!
3枚におろして適当な大きさに切り、気仙沼では酢味噌で食べるのが一般的ですが、カボスやレモンの絞り汁をたっぷりかけて山葵醤油でいただくのが、このごろの我が家のブームです。さっぱりしていい香りがするし、なんと言っても、きりっと締まった身質に程よい脂がのり深い味わいのさんまの刺し身です。絶品と思います。良く冷やして、薬味は長ネギの千切りか玉ねぎのスライス、しょうがも合います。ぜひ一度お試しください。そのときは「さんま様!いただきます」と声を掛けてほしいです。