2007.12.01
ばぁ ばぁばぁばぁばぁ
ずいぶん寒くなりました。太平洋に面した気仙沼は東北でも比較的暖かく、真冬も雪が少ないことで知られていますが、今年11月、寒くなり始めたと思ったら、急な大雪が2回も降り冬支度の整わない地元は大騒ぎ。朝起きて一面の雪景色を前に「ばぁ ばぁばぁばぁばぁおどげでねぇ雪だごど」となります。気仙沼弁では驚いたとき「ばぁ」と言うのです。
この驚きの「ばぁ」を繰り返すのが「ばぁ ばぁばぁばぁばぁ」とても驚いた様子の合いの手なのですが、 他の地方から稼がれたり、引っ越してきた方は、おもしろそうで使ってみたい言葉だけれど、使い方が難しいと言われている方言です。独特のアクセントと間合いがあるのです。どうか気仙沼へおいでの際は、生の「ばぁ」が聞けるといいです。温かく力強くそしてどこかめんこい気仙沼弁です。
気仙沼では商売繁盛や大漁などを願うえびす講には「どんこ」を神棚に供えます。どんこは(えぞあいなめ)といい口から入れたものを口から出すので(財布魚)とも言うそうです。刺し身やみそ焼きも美味しいのですが、なんといっても冬はどんこ汁、白身のしっとりした身もおいしいし脂ののった肝も極上の自慢の郷土料理です。
お年越しには「なめたかれいの煮つけ」を神棚に供えます。どちらも地元で獲れた魚でその時期に最高に美味しくなるから神様にお供えする慣わしです。
えびす講のどんこも年末のなめたもそのとき浜値はぐっとあがります。「ばぁっ なんだもねぇ高いごど」(わあ 大変高価ですね)と言いながら神様ごとはやずされません(略せない)神棚にお供えして、大自然にお守りいただいたことへの感謝をお祈りします。次代に伝えたい大切な慣わしと、心がこもって生き生きとした地元の言葉だと思います。