2008.02.01
春の匂い おあがんなはれせ
寒さの真ん中です。風邪などひいていませんか。
この時期は一塩した魚を風に干すのが楽しみです。さすように冷たい海からの風は魚の鮮度を損なわずに、旨みを凝縮してくれるようです。
こんなに寒い中 気仙沼魚市場には春の便りが並び始めます。まつも、ふのり、めかぶ わかめなどの海草です。酢の物で食べたり、味噌汁に入れたりしますが、生の海草の香りと歯ごたえは格別です。海は〈春の匂い〉の季節を迎えますが、陸(おか)でも〈春の匂い〉春つげ野菜の季節です。南三陸春つげ野菜は、つぼみな、菜花、ふきのとう、ちぢみほうれん草です。寒中でも、他の地域に比べ、この地方の日照時間が、長いことと、海から吹く冷たい風が、野菜をたくましく育てるため、甘みが強く、香りも強い、歯ごたえ抜群の野菜を育てています。
ちぢみほうれん草は 通常のほうれん草を作る時間と手間の2倍かかるそうです。
何度も霜にあたっては甘さを増していきます。低く地面に這うように葉を空に向かって大きく広げています。濃い緑色の葉は柔らかく、深い味わいです。
何事も時間がかかって、手間もかかり難しいものほどすばらしいものになるんだと納得です。
先日 東京農業大学の小泉先生から
日本人の腸は肉を食べるようにできていない、(肉もたまにはいいけれど)ご先祖様が食べていたものを、その土地のものを満遍なく食べることが健康には一番 そのように日本人の遺伝子ができている。とお聞きしました。
炊きたてのご飯に寒風干しの丸干しさんま 新ふのりの味噌汁 春つげ野菜のちぢみほうれん草のお浸しで朝ごはんはいかがですか どうぞ 春の匂い おあがんなはれせ
※おあがんなはれせ:気仙沼弁で「お召し上がりください」の意