お客様の声 ハロー斉吉セット

2009.10.01

カツオのあら汁と鬼おろし

すっかり秋の空気です。気仙沼の秋は【さんま】と【戻りカツオ】、出荷のはじまった【牡蠣】。【秋鮭】と【いくら】これもあれも「食べてみでけらいん」・・・とついつい自慢したくなる豊かさです。 中でも 春先から北上していたカツオに脂がのって三陸漁場へ戻ってくる 戻りカツオ、もちろん刺身で食べるのが一番です。

さらにカツオのあらは古くから地元のみんなの大事なおかずでした。冷蔵設備や冷凍技術のなかったころ大漁のカツオを鰹節にする加工場がいたるところにありました。加工場で働く人も、その近所の人も あらも大切におかずにしました。77歳になる父は、子供の頃カツオ船の人が船で作っているカツ団子を貰って食べるのが楽しみだったと懐かしがります。カツオの身をすり潰して少しの味噌で味を付け団子に丸めてお湯で茹でたものです。さらにカマドの上で乾かし糸を通して天日で干したものは、漁師さんの家族へのお土産となり、味噌汁のだしなどにも使ったそうです。
脂ののったハラスは塩焼き 星(心臓)や肝臓も塩焼きです。
カツオの中骨を甘辛のしょうが醤油で煮つける骨煮という料理があります。骨にくっついた身をしゃぶって食べます。
中骨はあら汁にもします。野菜をたくさん入れてぶつ切りの骨を入れます。カツオのだしがたっぷりとでて美味しいおつゆ さらにここで大事なのが、やはり中骨にくっついている身をしゃぶること。気仙沼式正しいあら汁の食べ方です。

三陸のとれたていくらはしっとり口のなかでほどける美味しさ、今年は地元でとれた大根を合わせました。大根おろしは昔ながらの竹製、鬼おろしを使います。荒く削れた大根はしゃりっと歯触りが良くみずみずしい汁も逃しません、
思ったとおりのさっぱり感に、おおっ! いいぞっ。という 組み合わせになりました。

伝統食も伝統の道具もじたばたせず、効能を ひけらかさず 貫禄の表情をしています。

               

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