2009.11.01
気仙沼フカヒレ美人
江戸時代の終わりごろ、気仙沼でフカヒレ製造がはじまったといわれています。サメ(フカ)は、新鮮なうちに加工しなければサメの持つアンモニア臭がきつくなりますから、水揚げから加工までのスピードが必要です。さらに冬の気仙沼は晴天の日が多く、北西の冷たい季節風は、まさにフカヒレを干す風です。三陸沖にある世界有数の漁場と、地の利がそろい、日本一のサメの水揚げ港となりました。
朝 市場に水揚げになったサメはいくつもの山に重なり それはみごとな光景です。
中国清の時代、西太后がフカヒレの主成分のコラーゲンが美肌を作ることと不老長寿への願いからたいそうお好みだったという話があります。
大きさ 形すべてが少しずつ違うため ヒレを取り出す作業は今でも1枚1枚包丁を使って手作業ですし、冷たい水仕事です。ヒレを干して 煮て、そのあと成形して、またさらに軟らかくなるまで煮込みます。食べるまでには、そのあと、味をつけて煮ます。フカヒレは何度も何度も手間がかかるものです。中華高橋水産の先代さんが書かれた本に「ヒレは生のときはきれいではありません、乾燥して炊いている時もそうです、しかし天塩にかけてやると、実にきれいに、実にかわいらしく素晴らしく、小野小町のようなフカヒレが出てくるのです」とあります。
今はすべて手袋をして作業をしますが、昔は素手で作業をしたので、加工員さんたちの手がすべすべできれいだったといいます。きっとコラーゲンのおかげでしょう。一度フカヒレを食べたからといって、急に美人になるなんてことはないでしょうけど、体によいコラーゲンとコンドロイチンがたっぷりのフカヒレです。
やはり、美人は中からも外からも磨き続けてこそ・・・でしょうか。