2012.06.01
ありがとう 豪邸
豪邸が 在って 本当に 有難かった。
もう すっかり みんなが 「豪邸」 と呼んでくださいます。
本当は 古い古い 漁具倉庫にくっついている アパートなのです。
震災後ここに来た時は社長と二人で 毎日泥を出し 木の根っこが伸びて いばらのようになったのを掘りました。天井にからまったツタを切りました 破れていたふすまを貼り 電気の線を延ばし なんでも社長の手作りです。
でも今では 心底 豪邸だと 思っています。
豪邸は まさしく豪邸らしい働きでした。
一日に 40人も 50人ものお客様をお迎えすることも あります。
御来賓 っと呼ばれるような これまでの私たちには 到底お会いしたことも無いような素晴らしい方が おいでになり ご飯を食べたり お茶を飲んだり お話をしたりしてくださいました。
斉吉のみんなも 何度も ここで集まり がんばっぺし と仕事の話をしました。
安波山も 大島の亀山も 室根山も見えます。
朝日も 夕陽も 見えます。
津波で何も無くなった と思ったのに、それは 間違いで こんなに なんでも あるよ と云う事が わかり
ありのままで いい と云うか ありのまましか ないことも 豪邸が教えてくれました。
引退にあたっても、 博物館に入れて ずっとずっと とっておきたい 「もう殿堂入り」だよ って思うほどですが それは許されず、「無くても 在る」 を教えてくれた 豪邸は 6月に お別れすることになりました 何度も ありがとうございました と声をかけたい 自慢の豪邸です。
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