2021.12.10
石巻「平孝酒造」さんに伺ってきました。
平孝酒造さん
文久元年(1861年)創業。160年続く造り酒屋さんです。
岩手県盛岡市の菊の司酒造から分家し、石巻市で酒造業を始められました。
お店の中には、お酒のラベルにもなっている立派な書や
賞状がずらり。
5代目、社長の平井孝浩さんです。
酒蔵の中をご案内頂きました。
震災発生から2年半のあいだに、麹室、酒母室、発酵室のすべてを総ステンレス張りに改修。温度と衛生管理を徹底し、さらなる品質向上を目指すための環境を整えました。
洗米や蒸米をする場所です。
酒蔵に隣接された休憩室や食堂の内装がとてもお洒落。歴史ある店舗の奥に進むと、現代の新しい風が吹いていました。
休憩室にはふかふかの広いソファが。ここで働く皆さんが、ゆっくり休めるようにとの平井社長の愛情です。
“魚とやるなら日高見だっちゃ!”
石巻は、寒流と暖流の交じり合う豊かな漁場で、季節ごとに様々な魚や牡蠣やホヤなどの貝類が水揚げされます。その為、平井社長は周りのその環境からも、”日本酒は魚や牡蠣とあわせるもんだ”という考えが、ごく自然にあったそうです。
平孝酒造さんの看板商品・日高見のキャッチコピーは、「魚とやるなら日高見だっちゃ!」なんです。地元の皆さんにも昔からそう言われ、魚料理と合わせて長年親しまれてきました。
江戸前寿司がルーツ。お寿司やお刺身に合うお酒
平井社長は無類のお寿司好きでも有名です。
平井社長が会社に入社した20代前半は、より香りの華やかお酒を と酒造りをされていたそうですが、30代後半、感動する美味しさの江戸前寿司と出会ったことが大きなきっかけになり、以来、お寿司・魚介と合う日本酒を目指してお酒造りをされてきました。
全国のお寿司屋さんに行かれる度に日高見とお寿司との相性を板前さんに確かめながら試行錯誤して造られてきたお酒。平井社長自身も、いろいろな日本酒とお寿司を合わせて楽しむのが好きだそうです。お酒の味のタイプは酵母菌で決まと言われていますが、近年15~20年で酵母菌の種類も急スピードで増え、お酒造りの設計図がある今、蔵の個性は「うちはこういうお酒を造りたい!」という気持ちを、どれだけお酒で表現できるかどうかだ、と仰いました。平孝酒造さんのそれは、お寿司やお刺身などのお魚と合わせるお酒。「寿司と合わせるなら日本一」のお酒を目指しています。宮城から、全国に誇るブランド酒です。