2023.12.03
GreenNeighborsSTYLE
おいしいハードサイダーと出会って、岩手県紫波町へ行ってきました。
ほとんど甘さがなく、後味がすっきりしつつも
りんごそのものの香りと酸味が感じられるハードサイダー。
Green Neighbors Hard Cider(グリーンネイバース)さんのハードサイダーです。
どのように、そして、どんな方たちが作られているのか是非知りたくて、お邪魔しました。
グリンネイバースさんのお店につきました。
遠くからみても分かる、グリーンの看板とりんごが目印。
岩手県紫波旧庁舎の跡地に建てられたそうです。
醸造長の及川さん、店長の野田さんが出迎えて下さいました。
店内はこんな感じ。大きな丸窓からは、タンクが見えます。
この日のメニュー
12口、ずらりと並んだタップ余談ですが、すぐお隣にはサウナ施設があり、お風呂のあとに飲まれる方も多いそう。近所にあったら、休みの日には私も吸い込まれてしまいそう…!
「ハードサイダー」を選んだ理由
さっそく、お話を伺いました。
斉吉:「今日は、ありがとうございます!さっそくですが、一般的にりんごのお酒ってシードルと呼ぶと思いますけど、グリーンネイバースさんのはアルコールが入っているけど「ハードサイダー」という呼び方なんですね?」
及川さん:はい、りんごから造られる果実酒は、国によって呼び名が異なります。私たちのブランド名にも冠する「ハードサイダー」はアメリカでの呼ばれ方。フランス語だとシードル。両方ともりんごのお酒を指す言葉です。
パブで楽しまれるような、カジュアルなニュアンスのものを目指したい、という気持ちから、「ハードサイダー」というアメリカの呼び方を選びました。
以前は盛岡でクラフトビール専門の販売店で働いていました。
後に、ビールを自分でつくろう、となったときに
ホップ、モルト等はすべて海外からの輸入になってしまう。
原材料が海外に依存したものを自分の生業としていいのか?という気持ちがあって。そこで、地物のりんごを使ってハードサイダーをつくろう、と決めたんです
お話が始まって早々に、「これ、どうぞ、飲んでみてください。飲み比べてみると違いが大きく分かりますよ。」
と野田さんが2種類のハードサイダーを出して下さいました。
【DRY】【SOUR】の2種類。
ドライは、ビール醸造で使われるセゾン酵母と、酸味の強いりんごを中心に組み合わせて醸造した Green Neighbors Hard Cider を代表するハードサイダー。
グラスから香り高く立ち上がる硬質な青りんごのアロマと、控えめな洋梨を思わせるセゾン酵母由来のフルーティなアロマが穏やかに広がり、口に含めば熟したりんご、ほのかにスパイシーなフレーバーへ移り変わります。
及川さん:「僕、この、ドライが好きで。毎晩のんでるんですよねぇ」と笑います。
フルーティなアロマの組み合わせは、醸造開始前からずっとイメージしていたほどに、及川さん達が強く惹かれてきた組み合わせだそうです。
サワーは、りんごの持つシャープな味わいのリンゴ酸に、酵母が生み出す柔らかな味わいの乳酸を組み合わせ、より一層「酸味」を楽しむことをコンセプトにレシピ設計されています。
酸っぱいりんごやネクタリン、桃を思わせるアロマ。
グラスを口に近づけた段階で、ふわっと華やかな香りを感じました。
そして、いざ、飲むと口いっぱいにしっかりと酸っぱい。
更にもう一口飲みたくなる、きりりとした酸味の中に、りんごの爽やかな甘さを感じるハードサイダーです。
料理に合わせて食中に楽しむための、ハードサイダー
酸味、そして少しの渋さを求めてたどり着いたのは、食べておいしい甘みがあるりんごではなく、摘果(間引きする)、未成熟のりんごでした。
指定農家さんから買い取る、糖度の低い、摘果りんごを使います。
様々な料理に合わせて食中に楽しむ、キレの良い酸味があるハードサイダーを目指すために、「摘果される時期のりんご」こそが絶対的に必要なのです。
無濾過、非加熱、亜硫酸無添加。やさしく作られるハードサイダー
自ら農家さんのもとへ赴き、直接引き継いだりんごの果実は、専門の搾汁加工施設へ搬入。
フレッシュな状態で搾汁した果汁は酸化防止剤を用いずに、熱殺菌のみを行い、一斗缶へ充填。りんごの果汁で満たされた発酵タンクに、お酒づくりに欠かせない微生物の「酵母」を加え発酵させることで、りんごの果汁と酵母の混合液はハードサイダーへと徐々に変貌を遂げます。
発酵中に生まれる炭酸ガスは、良い香りとは限らない為、一旦逃がし、負担をかけないように、熟成中に2週間かけてゆっくりゆっくり、炭酸ガスを入れていきます。
グリーンネイバースのさんのハードサイダーは無濾過・非加熱処理のため要冷蔵です。
無濾過ならではの、やわらかい口当たりをお楽しみください。
❝自分たちが求めるハードサイダーはどんなものか?❞
食事に合わせるのに丁度良い、「酸味」を楽しむハードサイダー。それも、アメリカのパブでカジュアルに楽むような。そんなニュアンスのものを目指したい。
そんな想いから、使用するりんごや製造方法を確立し、それを視覚的にも表現する。
自分たちのスタイル、‶Green Neighbors style”とも言うべき
ひとつの独自の世界観を作っていること
そして何よりハードサイダーそのものを楽しむ姿がとても素敵でした。
取材に伺う前に散策した紫波町も素敵な町でした。また是非、ゆっくりと伺いたいです~!
ありがとうございました。