2022.02.22
くまっこ農園さんで、とびきりの雪の下大根と雪の下にんじんに会う
仙台市の郊外、秋保で農薬も化学肥料も使わない農業をされている「くまっこ農園」さんから分けていただいた雪の下にんじんを、そのままかじったら、ぱりっぱりで果物のようでした。雪の下に大根もあるとお聞きしたので、とんで行って畑を見せていただきました。
くまっこ農園の農園主 渡辺重貴さんです。
秋保は温泉も有名ですが奥羽山脈を間に山形と接していて
仙台市内とは思えないほど、冬の間は雪があります。
収穫にはスコップが必須です。
雪はこのくらい
左にある棒は、前回ここまで掘ったという目印
このくらい(私の手の位置)になるときもあるそうです。
雪を掘る
掘る
渡辺さんがここまで掘ってくださったときに
おおおーって、思わず声をあげました。葉の色、葉の様子です。なんと雪の下に埋まっているとは、冷やしているのではなく、寒さから守っていたんだ!
葉は生きている!にんじんも生きているのだとわかりました。
私たちは冷凍の商品を作ることが多く、生野菜の凍った様子を多く見ているから
この葉を見た瞬間に温度がわかりました。驚きました。
よくお話を伺うと 雪のふとんを被った土は、0度から1度で凍らない
雪がなければ凍みて傷みます。野菜を寒さから守ってくれて、野菜を甘くするベストな温度、
しかも雪の水分で鮮度を保つ、こんな機械は世の中にない、偉大な自然に感謝だと仰います。
秋保の雪はこのくらい
雪がもっと深ければ、収穫のたびに掘れなくなるからこの方法はできないのです。
次は大根も見せていただきました。
大根は人参と違い収穫できるくらいに育った時に
土から5cmくらい出ていて、土から出たところが凍みてくるので
秋の終わりに8000本の大根を一旦収穫し、それを大きく掘った畝に入れて土をかぶせてあるそうです。
いた! 大根
掘る
つやつやの良い土の色ですね。
このくらい雪をかぶっています。
ハリがあって、甘くてみずみずしい大根です。
ここの地名は秋保町馬場新田町といいます。
今90歳くらいの方々が戦後、抜根して開拓した土地だそうです。
畑は、手を入れないと3年もしないうちに木が生え腕くらいの太さになることも伺いました。渡辺さんは非農家から、
どうしても農家になりたくて自ら学んで農家になられた方で、土地と農業を愛していらっしゃることがじわじわと、だけれども強く感じました。
今は多くの研修の方の受け入れもされています。
聞かれなくても、ついつい喋りたくなる私と違って
渡辺さんは多く語らないのに
大根とにんじんが言っているように感じました。
掘ったばかりの野菜を車に積んで帰ります
どうしても食べたくて、一度車を止めて荷台から、大根とにんじんを取り出し
かじりながらの帰路
無言でがりがり食べました。だいこんは梨のようでさえありました。