2022.03.18
生鮮便ができるまで ー「肉のふがね」さん「涼海(すずみ)の丘ワイナリー」さんとのペアリング会ー
【お陰様で、2020年から始まった斉吉「生鮮便」、今回で第100回目のご案内です!】
約1年前の2021年4月、「肉のふがね」さんに伺ってから
第100回は、是非セシーナをご案内させて頂きたい!と心に決めていました。
そしていつか必ず、お客様とご一緒に!生鮮便ツアーで伺いたいと思っています。
セシーナは、岩手短角牛と、のだ塩のみを使用し
一年以上かけてじっくり丁寧に熟成する牛肉熟成生ハムです。
ペアリング会
「肉のふがね」の府金社長(写真・右)
岩手県野田村にある「涼海(すずみ)の丘ワイナリー」の所長であり
シニアソムリエの坂下さん(写真・右から2番目)
にお時間をつくって頂き、試食・試飲会をさせて頂きました。
ふがねさんの社長さんにセシーナに合わせてお届けするとしたら何が良いですか?とお聞きしたら、聞き終わらないうちに「白仙」というチーズがあってね…
と熱く教えていただきました。
白仙は、山地酪農牛乳から作られる貴重なチーズ。
(田野畑山地酪農牛乳さん)
府金社長が、厨房でセシーナに合うおすすめの組み合わせを教えてくださいました。
セシーナ×チーズ「白仙」×はちみつ
セシーナ×ギンディージャ(青唐辛子の酢漬け)
セシーナ×ソテーした白アスパラなどを合わせて下さいました。
最後に、グレープシードオイルをかけます。
山葡萄の種から低温で絞った 国産のグレープシードオイル
しかも涼海の丘ワイナリーさんで、ワインに使われる山葡萄のシードです。
どの組み合わせも、セシーナの旨味・塩味と合い、全然違うおいしさ。
自然と目を閉じて、噛みしめてしまいます。
涼海の丘ワイナリー、紫雫(しずく)マリンルージュと。
お次は、涼海の丘ワイナリーさんの紫雫(しずく)マリンルージュを合わせて頂きました。
ブロックから切りたてのセシーナを合わせます。贅沢!!!
一年以上かけてじっくり熟成しているセシーナ、本当に貴重です。
涼海の丘ワイナリーさんからは紫雫《樽熟成》《赤》《ロゼ》の3本をお持ち頂きました。
セシーナの貯蔵庫の前で、切りたてのセシーナ。
それにシニアソムリエがついで下さる山葡萄のワイン。
なんて贅沢な時間・・・!と感嘆。
それぞれの単品で頂いても、勿論、とても美味しい。
でも今回ご用意いただいた素材に、坂下さんのおすすめでワインを合わせると、
より旨味や塩味がぐっと引き立ち合い、余韻が深く感じられます。
あんまり美味しくて、楽しくて。
試飲・試食会なのについ乾杯をしてしまいました…!
「やませ」から生まれる、唯一無二の美味しい循環
府金社長さん、坂下さんは
ご自身達のことを「チーム北緯40度」と仰います。
県北の、元来の素材の良さ。
太平洋側から吹く、湿った冷たく厳しい偏東風「やませ」
やませは寒流の親潮の上を吹き渡ってくる為冷たく、長期間にわたって吹くと冷害をもたらすため、水稲を中心に農産物の生育に大きく影響してきました。
その為、この地方で凶作風などと呼ばれて嫌がられてきた「やませ」ですが
太平洋から吹く潮風に含まれるミネラルをたっぷりと運んでくれます。
山地酪農牛乳さんのチーズ「白仙」は
やませが運んだ海のミネラルをまとった山一面の二ホンシバを食べ、
ミネラル豊富なお乳をだします。そのお乳で作られたチーズ。
最も自然に近い「山地酪農法」で育てられます。
そして、広大な牧草地に放し飼いで育てられた岩手短角和牛と、
ミネラルを含む岩手の海塩、のだ塩で熟成させるセシーナ。
山葡萄はやませの影響を受け、ほんのり塩味をまとっているといわれています。
初夏、「やませ」によりじっくりと育ち、熟成された果実は
大自然の力がぎゅっと詰まっています。
涼海の丘ワイナリーのワインは、
すべて岩手在来の山葡萄からはじまるワインです。
そして、その山葡萄の種を使った、グレープシードオイル。
そのままでもほんのり葡萄の香りがし、
山葡萄のワインと合わせることによりよりその香りが引き立ちます。
農作物や酪農に唯一無二の栄養を運んでくれています。
その土地の風土や、気候があったからこそ生まれた文化、食文化。
長年、課題だと言われてきたことすらも愛し、気候や素材と向き合い、
むしろ食材に活かし、その土地の方々が大切に繋ぎ続けることの上に、商品があること。
そして、長い間かかって形になっているものを、私たちに分けて下さることの責任。
第100回のセットは、そのような事を改めて感じる機会を頂きました。
これからも、東北で、丁寧な手仕事を繋ぐ方々に出会い、
直接会いに伺えることを、嬉しく、心から楽しみにしている私たちです。