2022.08.19
田野畑山地酪農牛乳さん
二ホンシバが絨毯のように覆う牧山にある木立の中、よく見ると何頭もの牛が真夏の日差しをさけて集まっています。
田野畑山地酪農牛乳さんの牛乳は、熊谷農場(くがねの牧)と吉塚農場(志ろがねの牧)の二軒の牛乳です。農場には、搾乳をするための牛舎しかありません。真冬でも、ほぼ一年中自然の中、外にいて、牛たちは子牛を群れの内側に入れて、寒さから守って暮らすそうです。
これが足元を覆う二ホンシバです。牛たちは毎日牧山の傾斜を野草を食べて歩きます。草を舌で巻き引きちぎって食べます。沢の水を飲みます。(今ほとんどの乳牛は穀物の飼料を食べているので自分の舌で草を引きちぎって食べることはできないそうです。)
吉塚さんは、ここ岩手田野畑に移り住んで、山を開墾し、二ホンシバの覆う牧山にされました。50年もの日々です。どんなに厳しいであろう自然との毎日を思い圧倒される気持ちでいっぱいになりながら、吉塚さんの後をついて歩きました。
靴にカバーをして牧山に入れて頂きました。
細い筋のように土が見えているのが牛の歩く道です。
ところどころにこのような木立を残しながら、開墾し 二ホンシバを植えていくのだそうです。農薬の使用は一切ありません。二ホンシバは山崩れのない丈夫な山にし、牛が食べる草となります。
ところどころに自生する野草が四季ごとに生え変わり、それを食べる牛の乳は季節ごとに変わるのだそうです。牛の糞は牧山に撒かれ、自然の中で分解し草の栄養になります。
厳しい自然の中で暮らす吉塚さんの牛たちは
15年も牛乳を出して健康で暮らすそうです。
一般的な乳牛は3年から5年といいますから驚きです。
ただ日々牛たちが出す乳の量は一般に穀物飼料を食べている牛の三分の一
圧倒的に少ないのですが、牛が自然の中で健康であること、そこから分けていただく乳であることを大切にされているのです。どんなに厳しくても、ずっとそれを続けてこられたのです。50年も前から輸入穀物の飼料に頼らない牧場経営を目指してこられた
ご家族の歴史は、テレビ岩手さんが24年もの間取材された「山懐に抱かれて」にまとめられています。
吉塚会長は、お目にかかる前の想像と違い
優しい笑顔 本当に大きくて優しいと感じました。
日本で山地酪農を実践されて牧場経営をされているのは、3軒だけ。
多くの方が離脱されたそうです。
自然の中でと簡単にいうなど、できないと感じました。大きな覚悟と辛抱と毎日の積み重ねに
心の中から敬意いっぱいでお話を伺いました。
田野畑山地酪農牛乳で大切に作られるチーズやバターも、お客様が順番を待って買われています。
先日8月7日斉吉生鮮便ツアーでお客様もご一緒させていただきました。
牧場で牛乳を頂き
牧山をご案内頂きました。
お客様も感動されたこと メッセージを頂いています。
本当にありがとうございました。