2023.05.22
初めての韓国 マシソッター
市場で食べた朝ごはん
生まれた時から気仙沼の魚を食べて来たけれど
世界の魚は。魚の料理はどんなだろう。そこに行って見て聞いて匂いを嗅いで味わってみたい
この3年くらいずっとそのことを考えていたので、
ついに and recipe(アンドレシピ)の小池さんにお話ししたのです。and recipeさんは「ごはんと旅を通して人をつないでいく会社です」と、聞いただけでわくわくする説明がついているのです。なにより小池さんに、私はずっと、もう10年近くも大切な場面で人をつないでいただいてきたのです。
一番初めは小池さんが大好きで、ずっと通っていらっしゃる韓国へ行ってみようということになりました。(完売御礼の出たこの春のCREA 韓国特集号は小池さんの記事です)
これ以上ない、『小池さんの案内』によってふっくら充実した韓国への旅が始まりました。
「どんな支度をしたらいいですか」と聞いたら
東京へ行くような支度で大丈夫 といわれました。ちょっと驚きましたが
本当にそのとおりでした。
おとなりの国
釜山(プサン)空港からプサン市内まで乗ったタクシーの運転手さんが、きれいな日本語だったのです。満開の桜の時期が終わったばかりなこと、プサンの桜は日本の九州と同じ頃に咲くよ、と教えてくれたので、九州へ行ったことがあるのですかと、今考えると愚問でしたが、そう聞いた私に「九州は、ほとんどの町へ行きました。日本へは20回以上行っているよ」と返事が返ってきて
東北人の私は、今さら、改めて九州との近さを知りました。福岡からプサンは船でも
3時間40分 気仙沼から東京に行くより早い!なんて近い。
プサンの漁具販売店
製氷工場から漁船に氷を積むための桁 気仙沼と同じだ。
なんでも教えて
初めての場所、特に外国へ行ったら何もわからない。気仙沼に生まれ育ち、長い間ここで仕事をしているときとは全く違うことになる。これが大事で
好奇心がふつふつと沸いてくる感覚が楽しみでたまりません。
煮干の入ったせりの和え物 あんまり美味しくて何が入っているか教えてもらった
モンゲ(ほや)のビビンバ
何をみても 何を食べても教えてもらいたいことが山のようで
小池さんには、面倒をおかけしたに違いないのですから、ありがたくてたまらないのです。
プサンのチャガルチ市場
マ チョンムンカ(味の専門家)山田先生(and recipe)の後をついて歩く
チャガルチ市場の2階は市場で買った魚を料理して食べさせてくれる
ダソムさんと小池さん
下の市場で活で買った黒そい
明け方から来て6回食べて
プサンでは「明け方から来て6回食べて」というほど
美味しいもの、食べてほしいものがいっぱいなのだそう
すぐお客さんに「食べらいん、食べらいん」と言って 出しすぎる我が町気仙沼を思いだす
韓国は食べることを大切にしているのだと小池さんから教えてもらった
韓国語のおはようの挨拶の中に パッ モゴッソ? (ご飯 食べた?)があって
韓国語には ご飯 食べた?が 朝だけでなく昼も夜も使う相手を気遣う挨拶だと教えてもらいました。
食べ物のことが仕事であることにふと、空からの光を仰ぐような、嬉しい気持ちになりました
同じ魚 同じ産物
釜山(プサン)のチャガルチ市場 国際市場
統営(トンヨン)の西湖(ソホ)市場で見た魚は
鯖 太刀魚 牡蠣 ほや 鯛 のどくろ いしもち
野菜だって タラの芽によもぎ
なんて 同じ 同じ
似ている 言葉もたくさん
水産は ス・サン 専門家 は チョンムンガ !
調味料は チョミリョ
音を聴くと 似ていることがはっきりわかる
久しぶりの海外 外国へ来た 初めての韓国 と思ってきたのだけれど
なんと言ったらいいか
太古は同じところから始まっているのだろうと、お腹のそこからそんなふうに感じ、
もっと息を吸ったり吐いたりするように 韓国と仲良くさせてもらいたいと思いました。
季節のよもぎを使った餅菓子
煮干しでとる出汁から始まる料理
お米からできるお酒
魚の干物 塩をして焼く魚
今は韓国料理と日本料理 全く違うもののように見えるけれども
同じ産物を見れば見るほど
始まりは、きっと一緒だったのかもしれないし、その後もずいぶん文化は混ざったのでしょうか
キンパを食べたことがないと言った私にダソムさんが買ってきてくれた
キンパはふわっと空気をふくんだご飯を海苔で巻いて うちの母が作るおにぎり
と同じ味がしました。キムチを合わせて食べるそうです
プサンのキンパ
キムチ
キンパとキムチ おにぎりと漬物ですね
穴子
ずわいがに
紋甲イカ
鯖
太刀魚
のどくろ
しま海老
ほや
ミョルチ(煮干)いろいろな種類がある そのまま食べたり、味を絡めたり
だしをとる 韓国料理に欠かせない
干物を干している
太刀魚 鯖など塩焼き 塩をして鉄板やフライパンで焼く
米のお菓子 餅菓子
ダソムさん
視覚芸術家のダソムさんは小池さんの長い間の大切なお友達です。
今回ダソムさんにずっと韓国の旅をご一緒いただきました。
ダソムさんが話している
このことについて話しているんだとわかったり わからなかったり
英語の単語を挟んでくださって、また少しわかるが進んだり。
でもどうしてだか
ずっと聞ける どんなにずっと聞いても もっと聞きたいと思ったので
不思議です。
そして、おしゃべりの途中 何かの単語だけでみんなの気持ちがそろって
どっと大きな声で笑い合う、その瞬間の楽しさを何度も思い出しています。
私のこともよくわかってくださる小池さんが通訳を入れてくださるからが大きいのですが
ダソムさんのちょっとした思いやりのある動きやセンスのいい視点も
クリエイティブな仕事への思いも、みんな尊敬と納得の思いで聴きました。
ダソムさんの お母さんが願うのは。
「今日もいい人と出会いますように」
今回の旅の忘れられない言葉です。
いくつになっても子を心配しない親はなく
それでも大人になった子供にしてやれることは、ほぼ無いのです
それを、あれこれ勝手に願ったり、なにかしてやれることはないかとついつい探したりしている愚かさを一蹴されたように感じました。
いい人と出会うということに込められる思いは深く、それにままならないことだけれど
いい人に出会う幸いに人は、そこに彩られる苦しみや悲しみも含めて豊かさはそこから始まるのだろうと感慨深く涙がでました。
トンヨン
3泊4日を
韓国の柄の長いスプーンで、
味を見て 味を見て
食べて 食べて
ずっと朝から晩までお腹いっぱい、好奇心いっぱいでしたが
食べ飽きず
どうしても、また行きたい。行ってもっと知ってもっと仲良くさせてほしいと
溢れるように思いながら
帰りのコリアンエアーに乗りました。
せり 大根 サンチュ ミョルチ(にぼし) コチュジャン 酢 柚子
いやぁー美味しい 美味しい
トンヨンの港近くで食べたヘムルタン なんという豪快な!海鮮なべにまた大興奮
最後はセリを追加します。
トンヨンは 漁業の盛んな街で、入り江の形も、あ気仙沼かと思うほど景色も匂いも似ていて、驚きました。
モノレールで山の上まで登れるようになっています。
統営(トンヨン)の弥勒山には韓国の英雄 イ・スンシンの碑があります。
この海の向こう側は日本です。
終わりに さらに食べ物いろいろ
トンヨンの市場の干物
韓国の魚は 活(生きている)か干しているか ザルに並べられていた
市場で冷蔵庫に入っている魚はない
ほうきのようなものの上に小さいモーターがついていて虫?が使いないようにしているらしい
これで十分なのではないかと思った
いろいろな、起こったら困ることを事前に防ぐあまり、日本の食べ物は
違った方向へも行っていないかと思った。
ヘムルパジョン 薄くてかりっとして美味しかったー
なんというお料理だったか
えごまの葉や白菜に包んで食べる蛸や蒸し豚
最初の夜にプサンで食べたモツ料理のお店 ペクファヤンコプチャン
写真を見返しただけで、もう また!すぐに食べたい。きっとまた行く!
冷たいほんのり辛いスープが合う 辛くない青唐辛子はコチュジャンをつけて食べる
サラダはお代わりをどんどん入れてくださる
最後はご飯を入れて焼き飯にしてくださる
プサンからトンヨンへ行くバスターミナルで食べたおでん
この薄いさつま揚げが美味しい
ありがとうございました。また 必ず。