2023.06.29
原電子工業・原さんのおはなし。日本のおいしい穀物をきちんと活かす。
今回、東北おいしい村の為に、福島市・原電子工業の原さんに「朝食用グラノーラ」を作って頂きました。
もともと「おつまみグラノーラ」という、お酒に合うグラノーラを作っていらして、こちらもとっても美味しい。
そのおつまみグラノーラを、ほぼ日さんの「生活のたのしみ展2023」の斉吉のお店で一緒に店頭に立って販売頂いたのがご縁のはじまりです。
そして今回、玄米や黒米、雑穀などの国産穀物たっぷりなところはそのままに、甘さを抑えた、「朝食用」のグラノーラを作って頂きました。
起業の勉強をされながら、社内でグラノーラの事業を始められた原さん。
なぜ、電子会社の原さんがグラノーラを作られているのか。
なぜ、グラノーラだったのでしょうか。
お話を伺いました。以下、原さんから頂いたおはなしです。
なんだかすっと心に入ってくるような、お手紙のような文で教えて頂きましたので、そのまま載せさせて頂きます。是非、ご覧ください。
原電子工業の原さんです。
電子工業でなぜグラノーラを?と質問をいただく事があります。
作っているものは全く違いますが、「ものをつくる」ということに違いはなく、
試行錯誤しながら心を込めて製造した製品をお客様にお届けし喜んでいただける。「ものづくり」に向き合う姿勢や心意気に違いはないと思います。
グラノーラを作り始めたきっかけの一つに親戚の米農家さんの稲刈りを手伝ったことが挙げられます。たくさんの機械が活躍する中、まだまだ人の手を借りなければならない作業も沢山あり、大変な作業です。
その中で「今年はくず米が多い」とがっかりしながらおっしゃるのです。
そうですよね、手間暇かけて一生懸命作った中で、等級がつき出荷できるお米とそうでないお米に分けられてしまう。しょうがないとあきらめているともお話していました。
長年当たり前のようにお米を食べていて、「くず米」という現状を初めて知りショックでもありました。
その時に、もう一度違う形で蘇らせる方法があるのでは、と思い、知らない事、わからないことがたくさんあり、調べたり、学んだり、出かけたり、人に会ったり。
米粉のパン、赤ちゃん用のせんべい、ワンちゃん用のクッキー、あまざけなどなど。
試作なども作る中、その頃朝食として時々食べていたグラノーラに思いつきました。大手の食品会社からすでにたくさんの種類が販売されていて、原材料を確認すると「オーツ麦」。
「オーツ麦」は食物繊維やミネラルなど栄養が豊富で、とても人気のある穀類です。
調べるとほとんどが輸入との事。
ここには日本には輸入しなくても美味しいお米という穀類があります。
日本で作られている穀類、うるち米の他、黒米、きび、ひえ、あわ、そして発芽玄米。改めて調べてみるとそれぞれ栄養も豊富です。くず米をもう一度選別してポン加工や焙煎加工。それらを原材料とし、より穀類の美味しさと栄養を楽しめる「グラノーラ」を作り始めました。そのほかの材料も、ナッツ類や乾燥リンゴ、レーズンも無塩、無添加、ミネラル・オリゴ糖を含む優しい甘さの甜菜糖、抗酸化作用がありくせのない米油など、穀類の美味しさをより感じられるような原料を選び使用しています。
食感も楽しめるように、工程や焼時間や温度等、試作を重ね現在に至ります。これからも美味しさを追求して変わり続けると思います。
「くず米」から始まったグラノーラですが、日本の主食である穀類の美味しさと栄養を味わっていただきたいです。
また、その年の出来具合や品種により、「くず米」選別して使用できるのはほんのわずかで思うような量を使用できてはいませんし、まだまだ課題はたくさんあります。ただ、やらないよりやった方がよいし、やり続ける事が大事と思い、これからもっと活用できる方法を模索していきたいと考えています。