2024.07.04
世界の。しかも、水平線しかみえない大海原の上で。 紅梅さんの揚げぱんが、働く漁師さんのたのしみの一つになっているのです。


こんにちは。
気仙沼も暑くなってきましたが、内湾辺りを散歩すると風が本当に気持ちいいです。気仙沼のみなさんにとって、長年親しみのあるお菓子屋さん「紅梅さん」にお邪魔してきました。 気仙沼の内湾から、すぐのところに本店があります。

紅梅さんの千葉社長さん、千葉専務さんです。

気仙沼ってやっぱり特殊な町で。
特に漁船に関係する仕事があちらこちらにあります。
紅梅さんもそうで、漁船が出漁するときはとても忙しい。

漁期が1年近くに及ぶような、大型まぐろ船の漁師さん達が船の上で食べるための冷凍の揚げぱんがたくさん注文が入ります。


社長の千葉さんは、あんこを生地に包みながら教えてくださいます。
「船によって、個包装にしておいてほしいとか、いろいろと、要望がちがうんですよ。最近では、インドネシアの船員さんも増えて、コミニケーションの一つとして船の食堂でみんなで甘い物を食べる習慣が復活してきて、大きい袋での注文も増えました。」


世界の。しかも、水平線しかみえない大海原の上で。
紅梅さんの揚げぱんは、命をかけて働く漁師さん達の
たのしみの一つになっているのです。

ヘラでとったあんこの形が、波のように見えました。

厨房の一階はお店なので、いらっしゃるお客様に
揚げたての揚げぱんがどんどんお店にも運ばれていきます。

もっちりの生地
生地は小麦粉を練るところから始まります。


餡を包んだ後は米油で揚げるため、さっぱりと揚がります。
歯切れ良い、生地のもっちり感も私たちは大好きです。

繋がれる、紅梅さんの自家製餡
気仙沼で70年以上愛されている紅梅さん
正確な記録はないそうですが、現社長のお父様の時には、すでに揚げぱんを毎日作っていたそうで、「昭和27年の創業から、間もなく作っていただろうと思います」と社長さんはお話下さいました。
そして、何より大切にされているあんこは自家製。

千葉専務さんは「紅梅の根幹をなすもの」と仰います。

金沢で製餡をするお菓子屋さんで修行された専務さん(4代目)は地元に戻り、
翌日からあんこを炊くことに向き合います。

それまであんこを炊いていたのは専務さんのおじい様で、専務さんが気仙沼に戻られるのを待つように、翌日、2代目おじい様が亡くなられました。
専務さんのあんこは、更に社長に教えてもらいながら「紅梅の味」と納得する味にすり合わせを重ね、今に大切に繋がれています。



専務さんが「是非、ふたりを撮ってください!」とお声がけ頂き、
こちらも、うれしく撮らせていただいた写真です。
そして、最後は

「これが一番、働きものです」
と社長さんが見せて下さった先々代から使い続けられている量りです。
(おわり)