2010.03.01
あざらってなに?
新宿の伊勢丹本店で「あざら」を販売した。
みんな 誰もが、 あざらって何 ?と訊く
そうなれば もう こちらは ウキウキ
東京には無いでしょう。気仙沼にしかないんです。
自分の手柄でもないのに どうです! めずらしいでしょう!かわいい名前でしょう! と得意顔になってしまう。
「あざら」は気仙沼を代表する郷土料理
先人が工夫をし 長く愛され続ける、「もったいない」の決定版です。
地元でとれた白菜は 秋の終わりに白菜漬けにして 冬の家族の食卓にのぼります。昔はどこの家でも 大きな漬物樽でいくつも漬けました。
(この地方では 海水で白菜を漬けることもありました。)
冬の間中食べますが 春に近づき 気温が少し上がると 漬物は乳酸発酵を始め 少し酸っぱくなります。
そうなると もう家族から急に人気が無くなります
この、喜ばれない白菜漬けこそ あざらの主役です。
これに酒の粕、 粕とはいいますが これも酒を絞った残り物
あとは 魚のあらです。昔は吉次 や目抜けなど食べ終わった後の骨もだしになるからと干しておいてあざらに使ったそうです。
これを一緒に鍋で煮ます。酸っぱくなった白菜の酸味は程よくまろやかになり発酵による旨みが残ります。
食べ物を余すことなく 丁寧に食べきる もったいない という気持ちから生まれた料理を 個性溢れる 別の料理に変身させたところが 何とも自慢です。気仙沼のご先祖様 いいぞっ と掛け声をかけたくなります。
気仙沼人はあざらにうるさく、その家々の味です。 あざら自慢、あざら談義となり、酒のつまみにあざら ご飯のおかずにあざら お茶うけにもあざらです。
斉吉のあざらは すぐ隣の室根 津谷川地区の白菜。 地元 蔵元の吟醸粕 魚は金目鯛を使い、ちょっと贅沢をしました。