お客様の声 ハロー斉吉セット

2010.10.01

かにのカッパ

台風12号が接近した。
暑くて、暑くて どうしようもない夏がいつまで続くのだろうとさえ思ったのに、一息に長袖を着て、さらに上着もほしいほどになりました。
秋になると台風はつきものだけれど  気仙沼の湾に波が三角に立つのを見たことがありません、天然の良港 東洋一の港といわれる訳がはっきりとわかる日です。リアス式海岸特有の深く入り込んだ湾 さらに その入り口をふさぐ防波堤のように大島が座り、台風が来ても もやい綱一本で船を安全に休ませられる港です。
今日は台風避難のかつお船やさんま船で湾はいっぱいになり それは見事な景色です。
かつお船はインドネシアの若い漁師さんが、たくさん乗っています。台風避難のときは、急な休みとなり、どの船からも 5人、6人と集まって ゆっくりコンビニやスーパーで買い物したり 電話をかけたりしています。にっこり笑って日本語を一生懸命に覚え、一生懸命に働き、国に送金したり 貯金したりしているそうです。
いつもは、またすぐに漁に出るため カッパを着たまま買い物も急いでしていますから 台風の時のくつろいだ様子の漁師さんたちは空気が全く違います。

【カッパ】と言えば思い出すのが、結婚したてのころ。
畑違いの仕事から、魚屋になったばかりの主人が 大雨の降る日 カッパを着て、市場で仕事をしていると、肩や袖 胸のファスナーのところからも 手で拭っても 拭っても、 もくもくと次から次へ泡がふきだしてきたのです。雨が強く打ち付けるとさらに ぶくぶくと泡を吹くのだそうです。赤いカッパだったので 周りから【なんだ 斉藤 かにが泡吹いだみでえになってっつお】と言われた というのです。
家に帰ってよくよくみましたら、私が 洗濯機でカッパを洗ったせいでした。強力防水のカッパが洗剤たっぷりの水の中でただ行ったり来たりして縫い目の糸にだけがっちり洗剤が浸みこみ すすぎも 脱水も全くままならず、強い雨が打ち付けるたびに、その縫い目から洗剤の泡が吹き出したのです。生まれたときからカッパを着て仕事をする人の中で育ち、25歳も過ぎたのに当時この有様でした。今もあまり進歩ありませんが・・・。

               

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