2008.04.01
さんま船進水式
先日、斉吉廻船部古くからお取引のある第十一権栄丸が新しいさんま船を建造し気仙沼で進水式をしました。199トンの日本で最大級のさんま船です。船主さんは福島県中之作の丸中漁業有限会社で初代社長の名前が吉田権右衛門さんというため、権栄丸 といいます。40代の若い船頭さんが采配を振るい、この新船の前の船でも抜群の水揚げ成績を誇りました。進水式で、斉吉の会長は「漁業界の光であり誇りでございます」とお祝いを申し上げました。各業者さんからお祝いに贈られた五色の大漁旗を何枚も掲げ、進水する雄姿は、まさしく光であり誇りと、強く感じます。
このごろ食べ物について心配な出来事が多く報じられています。
地球に住む人たちすべてに十分いきわたらない貴重な食糧ですが、日本国内では昭和40年代に70パーセントだった食糧自給率が現在40パーセントとのことです。フランス、カナダ、アメリカ、ドイツなど他の先進国では100パーセントを超える、またはそれに近い自給率です。農業生産者の皆さんの、ご苦労を様々な場面で見聞きするにつけ、漁業もまったく同じに難しい現状だと考えます。
私たちは国内で生産される作物や、漁獲した水産資源を本当に大切にしなければならないと思っています。特にさんまは国内で水揚げされた分で加工の原料にも間に合う量の資源がある貴重な魚です。
四方を海に囲まれている日本は この豊かな海からの恵みと魚を獲る技術や文化も次代に伝え、「漁業の形を変えても、獲れたての魚をつんだ船がたくさん気仙沼の港に入る。」そのことがずっと続くようにと祈ります。