2014.04.04
におい その2(本郷にうつり)
以前、店のあった「魚市場前」には、はっきりとした、その地区のにおいがありました
魚市場が水揚げしている魚のにおいと 広い海から吹く風のにおい
暮らしていると日頃は感じなくなっていますが しばらく離れていて 戻ると 鼻の奥から懐かしい思い出のスイッチが入る感じです。
震災の後 仕事ができずにいた頃に
ある会社さんで、工場の冷凍倉庫を開けた瞬間、自分たちの日常にあった冷凍庫のにおいがしました。こんなにおいにも心が動くのかと、あの時とても驚きました。
先日 ブランドを表現する香りを つくる仕事の方と話をしました
においが ふわっと香る その一瞬にどれだけ 心を込めていくか、その時、人の心はどのように動くのかを、お聞きしました。
毎日、工場(こうば)で金のさんまを炊く 甘辛い醤油の匂い。
身のつまった牡蠣を炭火で焼く匂い
2階の「ばっぱの台所」からは、さんま節やかつお節で出汁をとる匂い
これが 私たちの、安心の匂いです。
人も会社も目に見えない空気や匂いの中で育てていくものだと改めて感じています。
すぐに結果はでなくても
ゆっくり しみるようにだなぁとか 思っています。