お客様の声 ハロー斉吉セット

2012.01.01

変わる時

震災前に本店のあった魚市場前は 文字通り 気仙沼魚市場を目の前にした地区です。
多くの人やトラックが行き来し 朝は入札のアナウンスが聞こえ さんまの時期は 夜、入港船のライトが見えます もうかサメの時期は サメの匂いがします。
店や事務所の裏が自宅というところが多く 職住分離の逆で 人の出入りが多く
「おーい 居だのすかー」という声と同時にすでに家に上がっています。
 夜寝るときにしか鍵をかけない家がたくさんありました。
我が家の子供たちも 夕方になると近所の家で連れて行って 遊ばせてもらって育ちました。
たとえば 近所から結婚式の仲人を頼まれます。
頼んだほうは「医者だの博士だのよんでんだがら変なごと言うなよ」
と言いに来ます。
気仙沼全体がおおよそ そんなふうだと思いますが、魚も野菜もいただいて食べる事が多く卵に牛乳・パンに納豆と調味料、それしか買わなくても暮らせる家がいっぱいあります。
震災直後も 「良いがら、おら家の 畑のもの採って食べらいんよ」「いちいち断ンなくてもいいがら食べらいんよ」と言って下さった方がたくさんいました。

魚市場前を離れて10カ月が過ぎ すでに懐かしい というようなことになってしまいました。
でも懐かしい良い地区は 人が作るものと思います。
場所が変わっても大切にしたいものは たくさんありますし、同時に寂しくても覚悟して 変わらなければならないこともいっぱいある 新しい年です。

どうぞ皆様 希望の年になりますように

※気仙沼で「医者 博士」とは知識人の総称ともいえます(笑)

               

ページトップへ