2008.06.01
徳仙丈の山つつじ
真っ赤な山つつじが背丈をすっかり隠す高さで咲いています。
両側を埋め尽くす山つつじの間をくぐるようにして山頂を目指します、その直線二百米の街道の先は、ジグザグで少し急な坂です。途中に板を渡しただけのいすが黙っておいてあり、そこから絶景が望めます。山を整備してくださった方々の愛情を感じます。ここで一息ついて 美しい景色を眺めてほしいという様にいすが置いてあり気仙沼湾を望みます。大島、唐桑半島 岩手県の広田湾の先まで見渡すことができます。さらに、少し汗をかきながら、頂上に着くと
とたんに、本吉町側の湾が広がり、さらにその先の金華山まで雲の波の下に続きます。振り返ると室根山 栗駒山 遮るものがない圧倒的な大パノラマです。手前は一面に燃えるような山つつじ その先に濃い緑色の山がいくつも重なり山は海に注ぎます。この手で太平洋の水を汲めるのではないかと思えるほどに迫る海。私たちはいつも海ばかり見ていますが、海の恵みは山があってこそ、山がなくては、ありえないものだと考えさせられる景色です。漁師さんが沖からも見えるという真っ赤に燃える山つつじは五十万株ともいわれ国内最大級の群落です。この壮大なつつじ山は はじめはどこから?どのように?整備が始まったのだろうと思いをはせます。真っ黒くて よく保水をしてくれるだろう土を踏みながら、先人の長い努力の積み重ねと、幾百年もの間 風雪に耐えたつつじの姿を重ねます。この山の整備を始めた佐々木梅吉さんが昨年亡くなられました。 梅吉さんは一人農作業の後 毎日 山に入り つつじの下草刈りや移植を始めた方です。下草やつたを刈ってもらい日がたくさん当たるようになったつつじはこんなに大きくなりました。その後活動は (徳仙丈の自然とつつじを守る会)に広がり 40年を節目に今年新たな(徳仙丈のつつじを愛する会)に引き継がれました。
山頂近くに梅吉さんの歌碑があります。
青春を知らずに逝きし我が戦友へ八十路を生きてつつじ手向けん
海原に姿映すか山つつじ われ無き後も末の末まで
徳仙丈は5月末から6月はじめにかけてつつじの見頃ですが紅葉の頃もお勧めです。ぜひお出かけください。